ただいま劇団4ドル50セントの「ほどよく洒落たチョコレート」の稽古中です。
で。今回見目麗しい劇団員に混ざり私もパンフ撮影とかさせていただいたんだけど、よくあるじゃんパンフ寄稿文みたいなの。
文字制限わかんなかったから、あとから削ればいいかと適当にバーッと書いていったら思いのほかというか、想定の1/4以下くらいしか文字数なくて全く使えなかったので
ここに載せます。
没、というか。勝手に無駄に文章書いただけなんですけどね。もったいないなぁと思いまして。
では、どうぞ。
「バレンタインの思い出」
お菓子作りが非常に苦手である。
レシピ通りに粉をきっちり量り、温度計を用いて丁寧にチョコやバターを溶かし、その時の気分でアレンジをしたりは絶対にしない。おいしいお菓子は余計なことをしたらダメなのである。
私にはそれができない。致命的である。上手くできたことなどほぼないのに目についたものを入れてしまったりする。それで失敗する。
だからバレンタインに大した思い出などない。
そんな私も小学校のころクラスで一番人気の男子にチョコを作ったことがある。
始まるまでは楽しかった。
友達と一緒に細かく刻んだチョコレートを溶かしているとなぜか私のだけダマになっていく。
友達のチョコはツヤツヤなのに、私のは均される前のアスファルトのような見た目である。
同じ場所で同じ作業をしてるのに意味が分からない。
しかたがないので青いハート形のケースに、アスファルトを流し込んでみたはいいものの、ぼこぼこでちっとも可愛くないし、もはや食べ物の見た目ではない。
そもそもそのケースはいくつか小さいチョコレートを入れるためのカプセル型の容器で、そのまま直にチョコを流し込んではいけないっ!気付け、小5の私っ!!
容器の正しい使い方は分からなかったものの、目の前にあるものが完全に失敗なのはさすがの私でもわかった。
こうなったらもう、ふてくされるしかない。
全てを投げ出して不貞腐れているとそんな私を見かねて一緒に作業していた友達がにっこり笑って自分の残りのツヤツヤチョコを私のアスファルトの上にコーティングしてくれた。
私はあの時のお礼がまだ言えていない気がする。ありがとう。
そして人気No.1男子には、絶対に食べることができない青いハートを渡してごめんねって謝りたい。
バレンタインのチョコレートは買うものである。